よくある質問まとめ

03-5532-1112

警察から呼び出された方の無料相談
電話 10分無料/来所 30分無料

傷害罪誰にでもよく分かる罪名別ガイド

傷害罪

傷害罪

(刑法第204条で15年以下の懲役又は50万円以下の罰金)

傷害罪の総論

けがをさせるということが傷害に当たるのはもちろんなのですが、刑法上の「傷害」は一般用語のけがよりも少しだけ広い概念です。刑法上の傷害とは人の生理的機能を害することで、めまいを生じさせたり、下痢をさせたり、一定程度以上のPTSDや神経症に陥らせることも傷害です。ちなみに髪の毛を切ることは傷害ではなく暴行に当たります。

刑事事件を傷害罪として立件するためには、「加療約○日を要する○の傷害を負わせた」という記載を起訴状にするために、被害者の診断書が必要です。診断書を取りに行ったのが刑事事件直後でない場合に、すぐに診断書を取りに行かなかった理由についての説明が刑事事件の被害者に求められます。診断書の書き方も、医者に診てもらったのが刑事事件直後でない場合には「全治○日」という記載を医者がしにくくなるようです。

もともと被疑者と刑事事件の被害者とが知り合いの場合、何らかのトラブルがあって、本当にあったことがそのまま話されていないケースもありますので、捜査機関としてはより慎重に話を聞く傾向があります。

傷害罪の類型

電車内での喧嘩/路上での喧嘩/タクシーでのトラブル/DV/不倫のもつれによる暴力沙汰/近所トラブル(騒音含む)/教師による生徒への体罰

傷害罪の近年の傾向


平成21年度の警察庁の統計によると、
刑事事件のうち傷害事件の発生場所別認知件数は、道路上が31.9%と最も多く、次いで住宅が20.7%、サービス営業店13.1%、駐車(輪)場8.1%、公共交通機関等4.0%となっています。

傷害罪の量刑に影響を及ぼす事情

刑事事件において示談ができているか、暴行の態様が悪質かどうか、被害者に落ち度があるかなどです。

傷害罪の取り調べの例

刑事事件において暴行の態様が具体的に聞かれます。犯行に至る経緯や動機で被害者の落ち度も聞かれます。

被害者の傷害結果が被疑者の暴行によってできたものであることを裏付けるために、たとえば、「自分が殴った後に被害者の唇から血が出ていたので、自分の暴行によるけがであることが間違いありません。」などの供述がとられることがあります。

酒に酔っている時の暴行では、刑事事件における責任能力を争われないように、日ごろの酒量、犯行当時の飲酒量(種類、量、時間、食事の有無など)、泥酔の程度を聞かれ、「酔ってはいましたが、記憶ははっきりとあります」などという供述が取られ、弁解が封じられることもあります。

一般的に酒に酔っているからといって、刑事事件における責任能力に影響を与えるということにはなりません。酩酊の状態は単純酩酊と異常酩酊に分けられ、異常酩酊はさらに複雑酩酊と病的酩酊に分けられます。複雑酩酊は単純酩酊と質的差がなく、酩酊中は怒りやすく刺激的になり、興奮の程度が長く持続して乱暴な行動をするとのことです。病的酩酊は少ししかお酒を飲んでいない場合でも強い意識障害に陥り、激しい精神運動興奮とともに、不安、恐怖、激怒、凶暴性、幻覚、妄想などを覚え、攻撃的な行動をとるとのことです。単純酩酊は完全責任能力として、複雑酩酊は限定責任能力として、病的酩酊は責任無能力として扱われます。刑事事件の裁判例では、飲酒と睡眠薬の服用により、混合酩酊状態により限定責任能力状態にあったと認定されたケースがあります。

傷害罪の示談相場

被害者の怪我の程度によって示談金額が異なります。治療費の支払のみを求められる場合もありますし、治療費とは別に示談金を請求される場合もあります。
示談金額は10万円〜50万円程度のことが多いようです。

弁護士による傷害罪の弁護方針

示談が重要です。

傷害の刑事事件の被害者と被疑者が事件現場で初めて会った場合は、否認事件では目撃者の確保が問題になります。被害者であれ被疑者であれ、重要な点で供述に不自然な点があれば供述の信用性が一気に揺らぎますので、弁護士としては関係者の供述内容の吟味が重要です。

喧嘩の事例であっても、相手に先に被害届を出されてしまうと一方的に加害者とされてしまうようです。喧嘩両成敗とはならないことが現実には多いようです。
こちらも怪我をしているのであれば、早期に診断書を取り、弁護士とともに被害届を出すようにします。どちらからも被害届が出されていれば示談交渉においても対等の立場で話をすることができます。

ページトップへ

量刑と実際に起きた事件と判決・処分例

傷害罪とは

傷害罪の行為は、人の身体を傷害することです。
けがをさせるということが傷害にあたるのはもちろんですが、刑法上の「傷害」は一般用語のけがよりも少しだけ広い概念です。
刑法上の「傷害」は、人の生理的機能に障害を与え、あるいは、健康状態を不良に変更することを意味します。
めまいを生じさせたり、下痢をさせたり、病気をうつす行為なども傷害です。
なお、髪の毛を切ることは傷害ではなく暴行に当たります。

傷害罪の成立を認めた例
  • 胸部の疼痛(最決昭和32.4.23)
  • 精神興奮と筋肉激動による脳内出血(大判大正14.12.23)
  • 病毒の感染(最判昭和27.6.6)
  • 長時間の失神状態(大判大正8.7.31)
  • キスマーク(東京高判昭和46.2.2)
  • 自宅から隣家の被害者に向けて連日ラジオの音声等を大音量で鳴らし続け、慢性頭痛症等を負わせた行為(最判平成17.3.29)
傷害罪の成立を認めなかった例

心的外傷後ストレス症候群(PTSD)に傷害罪の成立の余地を認めつつ、本件につき否定した事例(福岡高判平成12.5.9、神戸地判平成21.4.17)

※平成24年7月24日、最高裁ではじめてPTSDにつき傷害罪の成立が認められました。

実際にあった事件&ニュース

【PTSDも「傷害」、女性4人監禁で最高裁判断】
読売新聞

東京都内のマンションなどに女性4人を監禁、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症させたとして、監禁致傷罪などに問われた無職の男(31)について、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は24日の決定で被告の上告を棄却しました。
懲役14年とした1、2審判決が確定。最高裁が、PTSDも刑法の「傷害」に当たると判断したのは初めてです。
弁護側は「PTSDのような精神的障害は傷害に含まれない」などと無罪を主張。決定は、暴行や脅迫によるPTSDの発症を認定した1、2審の判断を踏まえ、「精神的機能の障害を引き起こした場合も、刑法の傷害に当たると解釈するのが相当」と退けました。
1、2審判決によると、被告は2003年12月〜04年12月、インターネットやイベントで知り合った女性4人(当時17〜23歳)の顔や腹を殴ったり、「親や兄弟も殺す」と脅したりして、ホテルや自宅マンションに最長100日余にわたり監禁。睡眠障害などの深刻なPTSDを発症させました。

傷害罪の法定刑

15年以下の懲役又は50万円以下の罰金です

傷害罪の客体

傷害罪の客体は、他人の身体です。
自傷行為は犯罪となりません。

傷害罪で立件するためには

傷害罪で立件するためには「加療約○日を要する○○○の傷害を負わせた」という記載を起訴状にするために、被害者の診断書が必要です。
診断書を取りに行ったのが事件直後でない場合に、すぐに診断書を取りに行かなかった理由についての説明が被害者に求められます。診断書の書き方も、医師に診てもらったのが事件直後でない場合には「全治○日」という記載を医師がしにくくなるようです。

もともと被疑者と被害者とが知り合いの場合、何等かのトラブルがあって、本当にあったことがそのまま話されていないケースもありますので、捜査機関としてはより慎重に話を聞く傾向があります。

傷害致死罪(205条)

傷害の結果、被害者が死亡した場合です。
行為者が、被害者の死の結果について予見を欠く場合でなければなりません。被害者の死を予見・認容すれば殺人罪が成立します。

傷害致死罪の法定刑は、3年以上の有期懲役です。

過失傷害罪(209条)

過失行為は法律上の注意義務に違反してなされた行為であり、作為であると不作為であるとを問いません(大判昭和2.10.16)。
傷害の結果についてはもちろん、暴行の点についても認識がなかった場合に限ります。
これらの認識があれば傷害罪が成立します。

過失傷害罪の法定刑は、30万円以下の罰金又は科料です。
※過失傷害罪は、親告罪です(告訴がなければ公訴を提起することができません)。

傷害罪の示談相場

被害者の怪我の程度によって示談金額が異なります。治療費の支払いのみを求められる場合もありますし、治療費とは別に示談金を請求される場合もあります。
示談金額は10万円〜50万円程度のことが多いようです。

傷害罪の弁護方針

示談が重要です。
被害者と被疑者に面識がなく、事件現場で初めて会った場合は、否認事件では目撃者の確保が問題になります。被害者であれ、被疑者であれ、重要な点で供述に不自然な点があれば供述の信用性が一気に揺らぎますので、関係者の供述内容の吟味が重要です。
喧嘩の事例であっても、相手に先に被害届を出されてしまうと一方的に加害者とされてしまうようです。喧嘩両成敗とはならないことが現実には多いようです。
こちらも怪我をしているのであれば、早期に診断書を取り、被害届を出すようにします。どちらからも被害届が出されていれば示談交渉においても対等の立場で話をすることができます。

参考
第204条(傷害)

人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

第205条(傷害致死)

身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、3年以上の有期懲役に処する。

第206条(現場助勢)

前2条の犯罪が行われるに当たり、現場において勢いを助けた者は、自ら人を傷害しなくても、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。

第207条(同時傷害の特例)

2人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。

第209条(過失傷害)
  • 過失により人を傷害した者は、30万円以下の罰金又は科料に処する。
  • 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
第210条(過失致死)

過失により人を死亡させた者は、50万円以下の罰金に処する。

第211条(業務上過失致死傷等)
  • 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
  • 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

ページトップへ