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器物損壊罪誰にでもよく分かる罪名別ガイド

器物損壊罪

器物損壊罪

(刑法第261条で3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料)

器物損壊罪の総論

公用文書毀棄罪、私用文書毀棄罪、建造物損壊罪の客体以外の物が器物損壊罪の客体になります。

刑事事件における「損壊」とは、物の本来の効用を失わせる行為をいうとされます。割る・破る・壊すなどの場合に限らず、事実上もしくは感情上その物を本来の用途にしたがって使用できない状態にすることもこれに含まれます。
刑事事件における「傷害」とは、動物を殺傷することをいいます。判例は、器物の損壊と同様、他人が保有する動物としての効用を失わせる行為も傷害にあたるとされます。
例えば、鯉をいけすから逃がす行為や鳥かごから鳥を逃がす行為などです。

器物損壊罪の類型

物品の破壊/食器に放尿するなど、本来の用途で使用できなくする行為/他人のペットの殺傷

器物損壊罪の近年の傾向

注 平成23年警察庁の統計による

平成23年の警察庁統計によると、
刑事事件のうち器物損壊の認知件数は、平成12年から顕著に増加し、15年には23万743件を記録した。その後、16年から減少し続けているが、なおも高水準であり、23年は14万7,537件(前年比9,180件(5.9%)減)でした。検挙率は、15年までおおむね低下傾向が続き、その後、16年から若干上昇傾向にありますが、23年は7.4%であり、一般刑法犯総数と比べて低くなっています。

器物損壊 被害対象別認知件数(平成23年)
総数建造物の関連物車両自動販売機看板動植物その他
147,536(100.0)41,386(28.1)89,052(60.4)1,570(1.1)2,113(1.4)728(0.5)12,687(8.6)

注1 警察庁の統計による
注2 信書隠匿を除く。
注3 「建造物の関連物」は、家屋及び建造物の塀・壁・ドア・扉・窓等をいう。
注4( )内は、構成比である

器物損壊罪の量刑に影響を及ぼす事情

器物損壊の刑事事件では犯行態様、示談ができているか、被疑者(被告人)に真摯な反省がみられるか

器物損壊罪の取り調べの例

器物損壊の刑事事件では具体的な犯行態様だけでなく、犯行に至る経緯についても聞かれます。
酒に酔っている時の犯行では、刑事事件における責任能力を争われないように、日ごろの酒量、犯行当時の飲酒量(種類、量、時間、食事の有無など)、泥酔の程度を聞かれ、「酔ってはいましたが、記憶ははっきりとあります」などという供述が取られ、弁解が封じられることもあります。
ただし、一般的に酒に酔っているからといって刑事事件における責任能力に影響を与えるということにはなりません。

器物損壊罪の示談相場

器物損壊の刑事事件では損壊した物の価値、損壊の程度により異なります。
修理代のみを求められる場合もありますし、新品価格を要求される場合もあります。
骨董品などの場合は思いもよらない金額を請求される場合もあります。

弁護士による器物損壊罪の弁護方針

弁護士を介した示談が重要です。
ただし、被害品の所有者が自治体や法人である場合には、一律示談を断られることもあります。

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量刑と実際に起きた事件と判決・処分例

器物損壊罪とは

他人の物を損壊し、又は他人の動物を傷害することです。

器物損壊罪は親告罪です。損壊された物の本権者または適法な占有者が告訴権を有します。

器物損壊罪の客体

器物損壊罪の対象となる「物」とは、財産権の目的となる一切の物件をいいます。
前3条に規定するものを除くと条文に定められていることから、建造物を除く土地その他の不動産、艦船を除く航空機、汽車、電車、自動車等の乗り物のほか、258条、259条の定める文書等を除くその余の物品、さらには動植物をも含むことになります。
なお、信書は263条の客体になりますが、意思伝達機能を果たし終えた信書は、本条の客体となります。

器物損壊罪の行為

物を損壊し、又は動物を傷害することです。

損 壊

壊す、割る、破く等の物理的破壊行為以外であっても、効用を侵害する行為であれば損壊にあたるとされます。

  • 食器に放尿する行為(大判明治42.4.16)
  • 鯛と蝦を描いた幅物に「不吉」と墨で大書する行為(大判大正10.3.7)
  • 盗難・火災予防のため土中に埋設したドラム缶入りガソリンを発掘した行為(最判昭和25.4.21)
  • 会社2階の庇に掲げてあった木製看板を取り外し、約140m離れた場所に投げ捨てる行為
  • 輸送小荷物に取り付けられていた荷札を剥ぎ取り、持ち去った行為(最判昭和32.4.4)
  • 歌碑にペンキやパテを塗り付ける行為(札幌高判昭和50.6.10)
  • 窓ガラスや書棚等に多数のビラを貼付する行為(最決昭和43.1.18)
  • 自動車のドアハンドルの内側やフェンダーの裏側に人糞を塗り付ける行為(東京高判平成12.8.30)
  • 成長を助長して価値を付加する立木の枝打ちをすること(名古屋高金沢支判昭和42.9.28)
  • 高名な書家が他人の絹地に書画の揮毫をすること客観的には客体の価値が増大していたとしても、所有者の意思に反して行ったのであれば、損壊に当たります。
  • 瑕疵(かし)ある物の売主がその訴訟中に瑕疵に修補を加えて検証の利益を失わせること瑕疵(かし:1 きず。欠点。また、過失。2 法律上、なんらかの欠点や欠陥のあること。)
傷 害

動物の肉体や健康を害し、更に死亡させる場合も含みます。
また、飼養されている動物を失わせたり隠匿したりする場合も含みます。

  • 他人のペットの犬を撲殺する行為※ペットとはいえ所有者の意識としては家族を殺されたも同然と考えるかもしれません。しかし残念ながら器物損壊罪にしかなりません。
  • 養魚池の水門を開いて飼養中の鯉を養魚池の外へ流出させる行為(大判明治44.2.27)

客体が他人に属することが必要であるため、野良犬や野良猫等を殺した場合には、器物損壊罪は成立しません。
ただし、動物の愛護及び管理に関する法律に抵触する可能性はあります。

器物損壊罪と他罪との関係

損壊された対象が「物」ではなく「建造物」の場合には、建造物損壊罪(刑法260条)が成立します。

家の壁や窓ガラスなどに落書きがされたために、その効用が害された場合には、建造物損壊罪あるいは器物損壊罪が成立する場合があります。
効用が害されるまでには至らない場合でも、みだりに他人の家屋その他の工作物にはり札をする行為は軽犯罪法により罰せられます(軽犯罪法1条33号)。

実際にあった事件&ニュース

【チューブみそで車に落書き、逮捕断念したが】

チューブ味噌による落書きについては器物損壊罪での逮捕は断念したものの、スプレー塗料による落書きを器物損壊罪として逮捕した事案。

2012.5.29

路上駐車の車にスプレーで落書きをしたとして、兵庫県警神戸西署は28日、神戸市西区、会社員の男(49)を器物損壊容疑で逮捕しました。同署は3日前、落書き中の容疑者を見つけたが、洗い流せるみそを使っていたため、同容疑での逮捕を断念していたといいます。発表では、容疑者は今月中旬、同区内の会社員男性(41)が自宅前に止めていた乗用車に、スプレー塗料を吹き付けた疑い。同署によると、現場周辺では昨年10月以降、車にみそやスプレーを塗り付けられる被害が約30件発生。今月25日朝、警戒中の同署員が、車にチューブ入りのみそを塗り付けている容疑者を発見。同署に任意同行を求めて事情を聞きましたが、立件を見送り、帰宅させたとのこと。だが、容疑者は28日朝、同署に出頭。塗料による犯行を認めたといいます。

参考
第261条(器物損壊等)

前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

第262条(自己の物の損壊等)

自己の物であっても、差押えを受け、物権を負担し、又は賃貸したものを損壊し、又は傷害したときは、前3条の例による。

第264条(親告罪)

第259条、第261条及び前条の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

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