よくある質問まとめ

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罪名別Q&Aよくある質問まとめ

背任Q&A

実務上の背任罪の特徴はありますか?

刑事事件における背任罪は、起訴率が低くしかも嫌疑不十分による不起訴が多いのが実状です。

刑事事件において横領罪と背任罪はどのように区別されますか?

横領罪における事務は信任関係に基づく物の占有という特定の事務をいうのに対し、背任罪における事務には信任関係に基づく(財産管理上の)事務一般が含まれます。また、横領罪は他人が有する物の所有権という個別財産に対する罪であるのに対し、背任罪は被害者の財産状態全体に対して侵害が加えられてその損害が発生した場合に成立するところの全体財産に対する罪です。

商社の投機的商品買付けや銀行の外国為替取引等の冒険的取引によって、会社に損害を与えてしまった場合は刑事事件における背任罪になりますか?

会社から与えられた業務権限の通常の枠内で行ったかぎり、結果的に不適切な投機的判断を行って損害を与えたとしても背任行為にはなりません。

刑事事件において背任行為を行った場合に、刑罰はどの程度のものになりますか?

刑事事件の背任罪は、刑法第247条に規定されており、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金とされています。
また、本罪の加重類型として、会社法第960条以下は、株式会社の取締役等による特別背任罪を規定しています。これによると、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはこれらの併科となります。さらに、保険業法にも同様の規定があります(第322条以下)

行為者の他に決裁の権限を有する者がいる場合で、その決裁者の指示に従って処分行為をした場合には刑事事件における背任罪になることはありませんか?!

決裁者の指示に従って処分行為をしたとしても、背任罪になることはあります。
会社・組織で上司の決裁が有る場合でも、背任を実行することについて期待可能性が欠けるとまではいえません。
刑事事件の判例も、信用組合の専務理事が、自ら所管する貸付事務において、決裁権を有する組合理事長の決定・指示に従い、貸付金の回収が危ぶまれる状態にあったことを明確に認識しながら、十分な担保を徴することなく貸付を行った場合、理事長に消極的な意見を具申していたとしても、任務違背行為に該当すると判断しています(最決昭60.4.3)。

売掛代金を受け取るべき事務処理者が、商品の取り戻しを受けた旨の事実を帳簿に記載した場合は刑事事件における背任行為にあたりますか?

背任行為にあたるとした刑事事件の判例があります(大判大3.6.20)
法律行為の場合は、有効か無効かを問いません。

債権の取り立てを依頼された者が、放置したことによって債権が時効にかかった場合は刑事事件における背任にあたりますか?

背任になります。刑事事件における背任行為は、不作為による場合も含まれますので、やるべき作業をしなかったために損害を与えてしまった場合にも背任罪が成立します。

機械の管理を委託された者がずさんな管理を行ったため本人に損害を与えたという場合は刑事事件における背任にあたりますか?

背任にあたります。背任行為は、不作為による場合も含まれますので、やるべき管理をしないで損害を与えてしまったような場合は背任罪が成立します。

自己が管理する会社のデータを外部に流したり、無断で使用したりする行為は刑事事件における背任行為になりますか?

背任行為になる可能性が大きいです。
会社のデータは会社の財産ともいえます。他方、データそのものは財物でなく、情報を盗用する行為に窃盗罪は成立しません。
しかし、データを流出させたり自己使用することによって、その価値が減殺されることが考えられ、被告人は会社のため忠実にその業務を遂行すべき任務を有していたにも拘わらず、自己の利益を得る目的でその任務に背いたことによって、会社は損害を被ることとなることから、背任罪は成立するとの判断が神戸地判昭56.3.27、東京地判昭60.3.6、東京地判昭60.3.20などの地裁判断では盛んに認められています。

債権者に抵当権を設定した後で、その者に対する抵当権の設定登記をする前に他者に別個に抵当権を設定し登記も完了してしまうような二重抵当は刑事事件における背任行為にあたりますか?

背任行為にあたる場合があります。
一般に行為者は最初の抵当権者に対し登記に協力する義務を負うと解されます(東京高判平13.9.11)。そこで、登記に必要な書類等を引き渡す協力行為を行う以前に、別個の抵当権を設定しそれを先に登記する行為は、刑事事件における背任行為と判断されます(最判昭31.12.7)

生命保険の外交員が、顧客の重大な病気を隠して会社と契約させ、それにより会社から募集手当等を得る行為は刑事事件における背任行為になりますか?

勧誘員の行為は、会社に損害を与えるという意味で背任罪を構成すると同時に詐欺罪にも該当します。(最判昭28.5.8)

背任罪が成立するには、故意があるだけでは足りず、①自己もしくは第三者の利益を図る目的(図利目的)、または、②本人に損害を加える目的(加害目的)が必要です。

会社の業務として行った行為について、会社に利益を得させる目的と自己が利益を得る目的が併存していた場合には刑事事件における背任罪は成立しますか?自己が利益を得るという目的がある場合にはすべて刑事事件における背任行為になるのでしょうか?

具体的事情を精査し、主たる目的がいずれであるかで判断することになります。
主たる目的が自己のためであれば背任罪が成立しますし、主たる目的が会社に利益を得させる目的であれば成立しません。

相互銀行の支店長が、便宜を図ってきた会社の資金状態が悪化し回収の危険が生じた事を熟知していたにもかかわらず、従前安易に行ってきた立て替え払いが発覚することを防ぐために、立て替え払いを継続し総額が2億円余りに達して、会社に損害を加えたという場合に刑事事件における背任罪は成立しますか?

背任罪が成立する可能性があります。
刑事事件の判例は、相手の決済資金が不足している場合に銀行において立て替え払いをする便宜を図っても、ただちに背任とはいえないが、相手会社の資金状態が悪化し回収の危険が生じたことを確定的に認識した後も立て替え払いを継続し、総額が一定程度を超えた段階では、背任罪が成立するとされています。
問題文と同様の事案について刑事事件の裁判例は、被告人の行為は、銀行の利益を図るためでなく、自己の行ってきた不当な立て替え払いの発覚を恐れて継続したものであり、主として被告人等の利益を図る動機で行われた行為であると認定され、背任罪の成立を認めています(大阪高判平8.3.8)

返済が見込まれない債務者に対して金員を貸し付けた場合に背任罪は成立しますか?金員そのものの所有権は債務者に移転しますが、債権者はこれに対応する貸金債権を取得するので、法律的には財産は減少せず刑事事件における背任行為とは言えないのではないでしょうか?

背任罪が成立することがあります。
債務者の資力が乏しいなどの事情から返済が見込まれない場合、その債権は、実際に返済時期が到来して回収不能の事態に到らなくても、貸し付けた時点において既に額面どおりに評価をすることはできません。貸し付けた時点においても経済的見地からは損害が生じたということができます。

信用組合の支店長が預金成績の向上を装うため、信用組合の金銭を内規に違反して無担保で融資した場合、刑事事件における背任罪が成立しますか?

業務上横領罪が成立します。信用組合の計算においてなされた行為ではなく、支店長が自己の計算においてなされた行為であるため背任罪ではなく刑事事件における業務上横領罪が成立します。

配当すべき利益が存在しないのに架空の利益を計上して株主に配当する、所謂蛸配について、会社の命令で担当した者には刑事事件における背任罪が成立するのでしょうか?

蛸配は商法上禁じられた行為ですが、株価を安定させる目的とか、配当を出さないと業績悪化とみなされ融資が受けられない等の理由から会社の利益のために行う場合であれば、担当者に刑事事件における背任罪は成立しません。

【参考】
第247条
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

第250条(未遂罪)
この章の罪の未遂は、罰する。

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