よくある質問まとめ

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刑事訴訟法Q&Aよくある質問まとめ

逮 捕

逮捕された後の流れは?
刑事事件の一般的なケースとして、警察に逮捕された場合を取り上げます。弁護士が弁護活動をする一般的なケースも、警察に逮捕された場合です。刑事事件で逮捕された後は一般的に、警察署の中にある留置場で22日ほど身柄拘束を受け、その間に検察官が被疑者を起訴するかどうか決めることになります。弁護士による弁護活動はその間も、検察官と折衝をしたり、被害者と示談をしたり、被疑者にとって有利な証拠を収集したりと弁護士の弁護活動は様々です。一般的には逮捕されて2日目に検察庁に、3日目に裁判所にそれぞれ連れて行かれ、その後多くの場合は20日間も身柄拘束がされます。最初の勾留10日間は勾留請求の日を含めて計算。合計すると逮捕から22日間の身体拘束になることが多く、勾留期間の最終日が休日の場合は休日前までになるのが通例です。お仕事をお持ちの方は失職のリスクも抱えることになるので、逮捕された後、弁護士に依頼し早期に身柄解放活動を開始することが重要です。

逮捕した後に警察は被疑者を取り調べて簡単な調書を作成。被疑者は逮捕後48時間以内に連れて行かれた検察庁で再度、短時問の取り調べをされ、検察官が簡単な調書を作成。検察官が24時間以内に裁判所に勾留請求をするとさらに裁判所に連れて行かれ、勾留質問があります。裁判官から言い分を簡単に聞かれ、10日間の勾留が認められると勾留状が発付。10日間で足りないと検察官が判断すると、勾留延長の請求をします。検察官の勾留請求や勾留延長請求が認められないことは、統計的にまれです。刑事事件において逮捕されますと長い間身柄を拘束されますので、長期間の身体拘束を回避するために、弁護士は逮捕に続く勾留請求に対して意見書などを提出して勾留や勾留延長がされないように弁護活動を行います。

逮捕後の22日間の途中で検察官が身柄拘束の必要がないと考えれば釈放ですが、実務上はほとんどありませんので、身柄解放に向けた弁護士の弁護活動が重要な意味を持ちます。

不起訴の場合は不起訴決定日の夜に釈放されるのが一般的です。

罰金の場合は、最後の検察官調べで略式手続にする同意を求められ、勾留の満期日に裁判所に連れて行かれて、罰金の命令を受けて罰金を支払って釈放されます。

検察官が公判請求した場合は、逮捕後の身体拘束に続いて、そのまま起訴後も身柄拘束が続くことになります。釈放されるためには保釈の手続きを取る必要があります。

逮捕後の流れはあっという間に過ぎてしまいます。しかしその期間の弁護士による活動は重要なものですので、弁護士に相談して逮捕に対する防御活動についての適切なアドバイスを受けてください。
逮捕というのはどういうときにされますか?
逮捕をされる場合は、罪を犯したとある一定レベル以上に疑われたときに、逃げたり証拠を隠滅したりすると考えられる場合です。
家族が任意出頭に応じたまま帰ってこなかったのですが、そのまま逮捕されていました。どうしていきなり逮捕をしないで任意出頭を要請されたのでしょうか?
逮捕後の手続きには厳密な時間制限が設けられています。具体的には、司法警察員が逮捕してから48時間以内に書類及び証拠物を添えて身柄を検察官に送致し、検察官は身柄受領の時から24時間以内(ただし、逮捕の時から72時間以内)に裁判官に被疑者の勾留を請求するか、公訴を提起しなければならないのを原則とします(205条)。このケースのように、任意同行を求められて、そのまま逮捕されることもあります。任意出頭を要請したのは、逮捕と同時に始まる時間制限のカウントを避けるため。つまり、任意出頭によって身柄を確保し、その間に被疑者の自白を得る等して証拠をそろえようという捜査側の時間稼ぎの可能性もあります。
警察から任意出頭を求められていますが、弁護士に取調べに立ち会ってもらうことはできますか。
警察署に同行するのは可能ですが、取調べに立ち会うことは警察が認めない限りできません。任意ですので拒否することもできますが、逮捕される可能性があります。しかし弁護士が警察署まで同行することで、警察が無理やり調書を強引に作成することを控えるという傾向はあります。
任意同行と逮捕
刑事事件では捜査機関が捜査のために被疑者や参考人に任意で同行や出頭を求めることがあります。任意出頭で呼び出された者は、出頭に応じないことも出来ますが、嫌々ながらも同行に応じた場合には同意があったものと見なされます。弁護士がいない状況で要請される任意同行に対しては、断れば逮捕されるのではないかという不安もあり、なかなか一般の方は断りにくいでしょう。
しかし同意がないのに無理やり連行されれば任意性が失われて強制力を用いた「逮捕」となり、令状がない以上は原則として違法逮捕です。
そこで、任意と強制の限界、任意同行と逮捕との線引きが問題になります。このように逮捕の違法性をチェックすることも弁護士の弁護活動として重要です。

任意同行の限界

任意同行とはいえ相手が拒否した場合でも、肩に手をそえ、乗っている自転車のハンドルや荷台に手をかけるなど、強制にわたらない程度の実力を用いることが許されています。
この強制にわたらないという場合に当たるかですが、客観的な状況によって認定されます。同行を求める方法や連行の態様など、個々の行為について見るならば必ずしも強制力を行使したと認められないにもかかわらず、他の状況との関係で心理的な強制力が及んだとみなされるならば、それは逮捕と同視されて、違法逮捕となることもあります。

任意性の確保

刑事が同行を求める際には、同行が任意でなされたものであるという任意性を保全しようとします。つまり、被疑者の任意性に関して、あとで疑いを抱かれることのないようにするということです。同行を求める時刻が深夜や早朝など、通常ならば就寝中の時間帯であったり、同行した被疑者が寝込みを襲われたと訴える可能性があるパジャマ姿であったり、服を着替えることすら許されずに連行されたと主張されうる半裸・裸足姿であったりする場合は、任意性に疑問が残ります。刑事事件において被疑者の任意同行に際しては、通常、被疑者1名につき警察官は1名か2名とするのが適当です。3名以上の警察官がたった1名の被疑者を取り囲むようにしてパトカーに押し込んだ場合なども、任意性が疑われます。
盗撮をしたと疑われ、警察署で自分がやったという上申書を書かされて釈放されましたが、逮捕されたことになりますか。
その場で釈放された場合は、逮捕されていません。任意同行で警察署まで同行を求められ、任意で取り調べが行われたということです。このような場合、通常は再度の呼び出しがかかります。
調書ではなく上申書を作成したのは、簡易な内容を短時間で自主的に任意に書いたという形跡を残すためです。後日にやっていないという蒸し返しを防ぐために、しばしば上申書という形で自白をとります。
逮捕されるとどのくらいの間、身体を拘束されるのでしょうか?
逮捕された場合は最大で3日間、警察署にある留置場で身体を拘束されます。もっとも逮捕の後にさらに勾留された場合は、最大で20日間、身体拘束されます。もしも勾留期間を終えて起訴された場合は、保釈をしない限り、裁判が終わるまで身体拘束が続きます。
逮捕後に家族や弁護士に連絡することは可能ですか?
刑事事件で逮捕された段階で、弁護士を選任することができる旨が告知されます。逮捕直後の段階では手続き面で分からないことがあると、不安感からやってもいないことを認めてしまう被疑者がいますので、弁護士を選任することができる旨の説明を受けるだけではなく、実際に弁護士から法的アドバイスを受ける必要があります。

逮捕された人は警察の留置場に収容されるときに所持品の検査をされ、所持品のほとんどを預けさせられます。携帯電話も取りあげられるので、もちろん逮捕後は電話ができなくなります。逮捕後の携帯電話は電源が切られるので、相手からかけても発信音が鳴りません。通信履歴や電話番号のメモリーは逮捕された方と刑事事件の共犯者や関係者との関係についての重要な証拠として扱われます。写メールの中身も余罪の有無との関連で調べられます。例えば痴漢事件で逮捕された被疑者は携帯電話の中に入っている写メールもチェックされます。警察は逮捕後、逮捕された人に、連絡をしたい家族や知人を聞き、その相手に電話で逮捕されたことを通知。連絡したい弁護士がいれば、逮捕直後に弁護士に連絡をしてもらうことが可能です。
逮捕中や勾留中に家族と面会することはできますか?
共犯者がいるときはよくあることですが、逮捕に続く勾留決定のときに弁護士以外の者との面会を禁止する接見禁止の決定が付くことがあります。接見禁止がつくと勾留期間になったとしても家族・知人が面会や差し入れをすることができません。しかしそういった場合でも弁護士であれば接見が可能です。なお接見禁止の決定がある場合でも、弁護士が裁判所に接見禁止の一部解除の申立てをすると、面会できることがあります。選任している弁護士に聞いてみるといいでしょう。

刑事事件で逮捕中でまだ勾留段階になっていない段階は弁護士以外との接見はできません。ただし逮捕後の勾留期間中に面会ができるといっても、弁護士以外は平日9時から5時までしか面会できません。5時近くに行くと、会えないこともあります。弁護士以外の方は、取調中や検察庁などに行っている日は会えません。勾留されている警察署の留置課に電話して予定を確認してから行ったほうが無難です。

差し入れは、衣服は腰の部分に入っているひも類がすべて外されますので、ゴムが入っているジャージがありがたいようです。接見禁止でなければ手紙も送ったり差し入れが可能です。ただし、警察が内容を読んでチェックします。日用品は中で買えるので、少額のお金を差し入れると被疑者にとって便利なようです。取り調べがない日が続くと退屈に感じるようですので、本や雑誌の差し入れを希望する被疑者は多くいます。逮捕や勾留をされている被疑者は弁護士との接見で明るい表情を見せますが、逮捕されて不安な状態にある中で弁護士から法的アドバイスを受けた安ど感からなのでしょうか。
逮捕された後に勾留されないこともありますか?
あります。このように逮捕されると、逮捕に続いてなされる勾留と合わせて最長で23日間は、身体を拘束される可能性があります。早期の身体釈放を考えると、逮捕直後に勾留をされないための活動が重要になります。もっとも事件の性質や客観的状況などによって、極めて高い確率で勾留されてしまう事件もあります。
通常逮捕の場合は、勾留される確率が高いといえます。
逮捕後の処分はどのようになりますか?
大まかに分けて3つの処分のいずれかとなります。
①送検されずに微罪処分として終わる
②送検されるが、勾留請求されずに処分保留で釈放される
③送検され勾留請求がなされる
微罪処分とはなんですか?
司法警察員が検察官の一般的指示(刑訴法193条1項)により、一定の微罪については検察官に送致することなく、これらの事件を毎月1回一括して検察官に報告すれば足りるものとされた制度です。
微罪処分とされた場合には、前科はつきません。
逮捕にはいくつか種類があるのでしょうか?
逮捕には①通常逮捕・②緊急逮捕・③現行犯逮捕があります。
①通常逮捕は逮捕の一般的な形態です。被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるとき、裁判官の発付する逮捕状により被疑者を逮捕することをいいます(199条)。
②緊急逮捕は、一定以上の重罪を犯したと疑われる場合で、通常逮捕をとる時間的余裕がない場合に、最初に犯人を逮捕しそれから裁判官の逮捕状の発付を受けるものです(210条)。
③現行犯逮捕は、現に罪を行い、または現に罪を行い終わった者を逮捕することをいいます(212条1項)。私人でも現行犯逮捕はできます。電車内でのちかん(痴漢)は私人による現行犯逮捕がよくなされています。
家族が逮捕されている被疑者に会いに行くことはできますか?
できません。逮捕中は弁護士以外の者が被疑者に会うことはできません。逮捕に引き続いての勾留期間中も接見禁止が付いてしまうと、会えなくなります。
逮捕中の被疑者にとって弁護士ができる一番大きなことは何でしょうか?
弁護人との接見交通権が一番重要です。身体を拘束され、法的知識に欠ける被疑者をサポートし、被疑者の防御権を十分に保障するために、弁護人との自由な接見が必要です。
主人がサラリーマンですが、逮捕されたことは会社に連絡がいくのでしょうか?会社を首にならないか心配です。
逮捕直後において、警察から会社に連絡がいくことは、会社が絡んだ犯罪でない限り、一般的にはありません。もっとも後日、被疑者のアリバイを崩す目的で、会社の出勤簿を確認することはあります。この場合でも、被疑事実を伝えないなどの配慮をしているのが実情です。ただし事件によっては、被疑者が事件関係の証拠を会社に置いている場合などに、会社に捜査が入ることもあります。
会社を首にならないために、風邪をひいたなどの理由を申告してご家族が努力していることも多いようです。もっとも、事件の見通しによっては逮捕直後に勾留が確実に見込まれることもあるわけですから、少なくとも10日間、場合によっては20日間以上の間、休むことのできる理由でないと後々困ることもあり得ます。診断書を出すように要求する会社もあります。
逮捕されたことは新聞で報道されるのでしょうか?
犯罪の内容にもよりますし、逮捕された方の境遇にもよります。一般的に言うと、大きな事件ほど報道されやすく、地位の高い方ほど報道されやすくなります。小さな事件でも手口などが巧妙であったり特殊であったりすると報道されることがあります。
報道されるタイミングとしては、逮捕翌日の朝刊が、一番可能性が高いようです。逮捕翌日に報道されなければ山は越えたと判断できますが、起訴されたタイミングも要注意です。
犯罪報道は県警や各警察署の副署長が広報担当の窓口となって記者クラブ所属のマスコミ各社にFAXを配布します。マスコミ各社はそのFAXを見たうえでニュースバリューを判断し、取り上げるかどうか、どのレベルの扱いをするかを決めます。警察が流したFAXの事件がそのまま新聞に載るわけではなく、警察、マスコミの各段階でスクリーニングがなされた範囲内で事件報道がなされます。つまり、警察段階かマスコミ段階のいずれかの段階でニュースバリューがないと判断されれば報道はなされません。
報道がなされたかどうかの確認は、インターネットで地方紙を含む新聞記事検査をかけること等によって確認します。

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逮捕の種類

①逮捕の理由②必要性③補充要件
通常逮捕
199条
相当な理由
緊急逮捕
210条
十分な理由①一定の重大犯罪
②緊急性
③事後の令状
現行犯逮捕
212条1項
現に罪を行い、または現に罪を行い終わった者
準現行犯逮捕
212条2項
現に罪を行い終わってから間がないと明らかに認められるとき212条2項各号のいずれかに該当すること
通常逮捕とはどのようなものですか?
刑事事件において警察官が被疑者を逮捕したときは、警察に留置して48時間、継続的に身体の拘束を続けることが可能です。逮捕に続く制限時間内に検察官に送致しなかった場合は、直ちに被疑者を釈放しなければなりません。検察官が逮捕したときは48時間を限度として、警察官から逮捕された被疑者を受け取ったときは24時間を限度として、それぞれの制限時限内に裁判官に勾留請求をするか公訴提起をしなければなりません。いずれも行わない場合は、直ちに釈放することになります。

逮捕状請求の要件は第1に、逮捕の理由があることです。刑事訴訟法の「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」ですが、どのような法規に抵触する行為であるのか、犯行の日時・場所・方法・被疑者・被害者などが特定されているかの2点が明確になっている必要があります。刑事事件における逮捕のための「疑うに足りる相当な理由」は単なる嫌疑ではなく、客観的・合理的な根拠に基づいた嫌疑である必要があります。逮捕の理由があるかどうかは弁護士がチェックします。

逮捕状請求の第2の要件は、逮捕の必要性です。逮捕状の請求に際しては、逃亡・罪証消滅のおそれなど、逮捕の必要性の有無を十分に検討・判断して、疎明資料において説明。判断の基準としては、被疑者が住所不定・逃走中である、被疑者について前科・前歴・暴力団構成員であることなどが疎明できる、犯罪の態様として共犯者がいる・規模が大きい・方法が複雑・常習者による犯行であるなどの場合は、逮捕の必要性が認められやすくなります。他方で被疑者が高齢・年少である場合は身柄拘束による影響や少年福祉上の配慮により、事案が特に悪質・重大でないかぎり逮捕の必要性が減殺。病気中の被疑者、扶助を要する老幼者を抱えている被疑者、示談が成立している場合、白首している場合なども逮捕の必要性が減殺。逮捕の必要性があるかどうかは弁護士がチェックします。
通常逮捕に関しては、どのような場合に逮捕されることになるのでしょうか?
通常逮捕の条件として、①逮捕の理由と②逮捕の必要性があります。
①逮捕の理由については、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があることが必要です。この相当な理由の有無は、証拠資料に裏付けられた客観的・合理的な嫌疑である必要があります。もっとも一定の軽い犯罪については、被疑者が住所不定か正当な理由なくして出頭に応じない場合に限ります。
また、②逮捕の必要性については、明らかに逮捕の必要がないと認める時を例外として却下するもので、そうでない限り、逮捕状の発付が認められているのが実状です。
逃亡や罪証隠滅の恐れの有無によって、逮捕の必要性は判断され、逮捕の必要性がない場合には逮捕状の発付は認められません。正当な理由がなく任意出頭に応じなかったことは、逃亡や罪証隠滅の恐れがあると推認されてしまいます。
任意出頭を拒否した場合に、逮捕されてしまいますか?
結果的に逮捕の可能性を高めてしまう可能性はあります。
上述の通り、逮捕の要件として①理由と②必要性があり、正当な理由なく任意出頭に応じなかったことは、逃亡や罪証隠滅の恐れがあると推認されてしまい、②逮捕の必要性が認められることがあります。
逮捕とはどの程度の疑いがあればされるのでしょうか?
下記の図の通りです。

合理的な疑いを超える程度
逮捕状とはどのようなものですか?
刑事事件において捜査機関の請求で裁判官が逮捕を許可する場合の許可状が逮捕状です。逮捕状には通常逮捕と緊急逮捕の2種類があり、いずれも被疑者の氏名・住居・罪名・被疑事実・引致すべき場所・有効期間・発布年月日などを記載、被疑事実に関しては、別件逮捕になっていないかどうかを捜査状況と照らし合わせ、弁護士が逮捕の適法性をチェックします。

逮捕状の請求が出来る者は、検察官と警部以上の階級にある司法警察職員ですが、緊急逮捕の場合に限っては、緊急に発布する必要性から司法巡査でも請求可能です。

逮捕状の請求書作成に当たっては以下の事項を記載すべきです。
裁判官が発付する逮捕状の有効期間は他の令状と同様に原則として7日間(初日不参入で発布当日を含めて8日間)です。被疑者が逃亡中で、7日間以内の逮捕が不可能な場合は、7日を超える有効期間を請求することも可能です。
逮捕状の再請求は、原則としてその有効期間の経過後に、一応返還して新たな逮捕状の発付を受けることになっていますが、捜査上に支障の来すおそれのある場合は、有効期間内でも更新手続がみとめられています。

逮捕状は、逮捕時に被疑者によって破棄された場合や、逮捕後に不始末によって紛失した場合でも、再請求の必要はありません。
刑事事件において逮捕状によって被疑者を逮捕する場合には、逮捕状を被疑者に示す必要があります。逮捕状の呈示は身体の拘束に着手する前に行うことが原則ですが、逮捕を察知した被疑者が逃走を図り、第三者の妨害が介入したりなどして時間的余裕がない場合や、被疑者が逮捕状を破棄するおそれなどが予想されるときには、身体を拘束してから逮捕状を呈示しても適法です。逮捕前後の密着したタイミングで呈示がされれば適法です。

発布されている逮捕状を所持していない場合で逮捕することも、逮捕状の緊急執行として適法です。逮捕状の緊急執行として適法となるためには、被疑者に対して被疑事実の要旨と逮捕状が既に発付されている旨を告げなければなりません。
被疑者が逮捕状の内容について、筆写やコピーを求めても応ずる義務はありません。
逮捕状は被疑者を逮捕するためのもので、逮捕と同時に目的は果されるので、逮捕後に被疑者が逃走した場合は、逮捕後48時間以内でもすでに逮捕状の効力は失われており、同一の逮捕状で再逮捕することは不可能です。逮捕状によって逮捕に着手したが、逮捕が完了しておらず完全な拘束状態(実力支配内)に入らない間に被疑者が逃走した場合には、逮捕状はまだ有効で同一逮捕状で逮捕することが可能です。

同一の犯罪事実について、再び逮捕する必要が生じた合理的な特別の事情がある場合は、逮捕が不当な蒸し返しで違法逮捕により時間を稼ぐおそれがない限り、再度請求して逮捕状の発付を受けることも可能です。たとえば嫌疑不十分で釈放したが、新たな有力証拠が発見された場合などです。再逮捕の際の特別の事情については本当にあるかどうかを弁護士として特にチェックします。
逮捕状は一度発付されればずっと有効なのでしょうか?
逮捕状の有効期限は、原則として発付の日の翌日から7日間です。例外的に被疑者が逃走中等の事由があるときは、7日間を超えた有効期間を定めることができます。
この期間を過ぎると逮捕状は無効となります。たとえば逮捕状を取ってから遠方の被疑者のところに向かった場合に、逮捕状が使われるまでに時間がかかる場合もあります。
逮捕状の有効期限を見て、勾留の満期であると誤解している被疑者の方がいますが、最初の勾留の勾留期限は勾留請求の時点から10日ですので、逮捕状の有効期限とは当然にずれてきます。
逮捕状が不必要になったときは裁判官に返還します。
逮捕に対する異議申し立てはできますか?
できません。多くの事件で逮捕がスタート地点になるので、自分が逮捕されつつあるということを認識できる被疑者は限られています。逮捕は不意打ち的にされることが多いので、逮捕に対して異議申し立てをしたいと思う被疑者は多いのでしょう。しかし、逮捕に対する異議申し立ては現行法上、認められていません。逮捕に対して異議がある場合には、勾留質問や勾留に関する裁判に対する異議申し立てにおいて主張することになっています。これは逮捕の期間も短いので、不服申し立てをしている間に逮捕期間が終わってしまうということも影響しているのでしょう。
逮捕されたときに逮捕状をあとから見せられたのですが、違法ではないのでしょうか?
逮捕状は逮捕するときに被疑者に対して示す必要がありますが、逮捕状を所持せず、急速を要する場合には、被疑事実の要旨と逮捕状が発せられていることを告げて逮捕することができます。これに対して捜索差押令状がない場合には、急を要する場合であっても捜索はかけられません。

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緊急逮捕

緊急逮捕とはどのようなものですか?
一定の重罪を犯した疑いが濃厚で、しかも緊急を要するため犯人を逮捕し、直ちに裁判官に逮捕状を請求する手続きです。刑事事件における一定の重大犯罪とは、死刑または無期、もしくは長期三年以上の懲役・禁錮に当たる罪であることが必要で、疑いが濃厚とは犯人であることを疑うに足りる十分な理由があることが必要です。急速を要するため、裁判官に逮捕状を請求する時間的余裕がないことも要求されます。逮捕状を請求し得なかった緊急性の具体的情況、その場で逮捕しないと被疑者が逃亡し、その後の身柄確保が困難になる、証拠を隠滅されるおそれが予測されたなどの事情が必要です。緊急逮捕後は、直ちに裁判官の逮捕状を求めることが必要ですが、他の事務に優先してできるだけ速かにという意味と考えられています。緊急逮捕も弁護士として特に適法性をチェックします。
緊急逮捕はどのようなときに認められるのですか?
捜査官は、死刑または無期もしくは長期3年以上の懲役・禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができます(刑訴法210条)。

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現行犯逮捕

現行犯逮捕とはどのようなものですか?
現行犯逮捕の現行犯とは現に罪を行い、または現に罪を行い終った者のことです。現行犯ではないものの、罪を行い終ってから間がないと明らかにみとめられる者についても、準現行犯として現行犯とみなします。結果的に現行犯逮捕が可能です。刑事事件における現行犯は犯人であることが明白でなければならないので、当然、犯行後の時間的接着性が明らかでなければなりません。現に罪を行いつつある犯人ならば、逮捕者の目の前で犯罪が行われているので問題はありませんが、現に罪を行い終った犯人の場合、現行犯人と認められる時間的範囲は最大限30分から40分で、準現行犯で最大限数時間以内です。現行犯逮捕の適法性の有無は弁護士として特に注意したいところです。

現行犯は犯人であることが明白で人権侵害や誤認逮捕のおそれが少ないので、現行犯逮捕をするにあたって逮捕状は無くても構いませんし、警察官はもちろん一般人でも逮捕することが認められています。令状がなくても逮捕ができ、私人でも逮捕ができるからこそ、現行犯逮捕の適法性の有無は弁護士として特に注意したいところです。
現行犯と判定する基準としては、逮捕時における、犯行後の経過時間と犯行場所からの距離的関係のほか、逮捕する犯人の外見的明白性もまた不可欠です。ここも現行犯逮捕の適法性で弁護士が特にチェックをしたいところです。
現行犯逮捕は令状なしでできますか?
できますし、一般人にもできます。
刑事事件における逮捕には通常逮捕・現行犯逮捕・緊急逮捕の3種類があります。逮捕がなされると、特に何らの身体拘束のための特別な手続きをしなくても、逮捕の付随的効果として身体拘束がされます。このうち刑事事件における通常逮捕は、罪を犯したと疑う相当な理由と証拠隠滅、逃亡のおそれがある場合に、逮捕状が裁判官によって発布されるものです。実務上、逮捕状を取りながらもすぐに逮捕状を執行せず、任意出頭をさせてある程度の事情聴取をし、自白をさせた上で逮捕状を執行することが行われています。この理由は、逮捕状を執行すると、刑事手続き上の時間制限がスタートしてしまうので、自白を取った上で逮捕することによって時間を有効に使いたいからと考えられます。
刑事事件における現行犯逮捕は私人でもできます。電車内での痴漢事件や路上でのひったくりにおいて通勤客や通行人に取り押さえられると、私人による現行犯逮捕となることが多いです。
緊急逮捕は一定の重大な犯罪について、罪を犯したと疑うに足りる十分な理由と緊急の必要性という要件を満たした場合に、逮捕後ただちに逮捕状を請求することを条件に認められるものです。
ちかんをして周りにいた男性に現行犯で逮捕されましたが、そのとき抑えつけられた拍子にけがをしてしまいました。男性は傷害罪にならないのでしょうか?
現行犯逮捕は警察官だけではなく私人でもすることができます。
現行犯逮捕をする際に、現行犯人から抵抗を受けた時は、逮捕をする者が警察官であろうと私人であろうと、社会通念上、逮捕のために必要かつ相当な限度の実力を行使でき、その実力の行使が刑罰法規に触れることがあっても、正当行為として処罰されないとされています。問題はこの必要かつ相当な限度の実力行使であったかどうかで、その範囲内ならば男性に傷害罪は成立しないことになります。
現行犯で犯行を現認された被疑者が逃走した場合には、追いかけて行っても現行犯逮捕できなくなりますか?
現行犯逮捕には誤認逮捕がないと認められるだけの時間的場所的接着性が要求されますが、犯人と犯行現場を目撃した者が、その後一度も犯人を見失うことなく追跡を継続していた場合は、その追跡が数時間・数キロに及んでいても誤認逮捕の危険はなく、時間的場所的接着性が肯定できます。逆に、追跡者が犯人を人込みの中に見失った場合は、時間的場所的接着性が認められません。

【適法な現行犯逮捕とされた事案】
■ あわびの密漁犯人を現行犯逮捕するため約30分間漁船を追跡した者の依頼により約3時間にわたり同船の追跡を継続した行為(最判昭50.4.3)

【違法な現行犯逮捕とされた事案】
■ 被害者からの通報を受けて現場にかけつけた警察官が、被害者から犯人の風体、特徴を聴取した上で巡回を開始し、犯行から約20分後、犯行現場から約20メートル離れた場所で、犯人の特徴と一致する被疑者を発見し、被疑者に対面させて間違いないということで逮捕した事案(京都地決昭44.11.5)
電車内で痴漢をした犯人が改札口を出てからも被害者に付きまとっていたときに、被害者から連絡を受けた被害者の父親に現行犯逮捕された場合、現行犯逮捕として適法でしょうか?逮捕した父親にとっては、現行犯性がないのではないでしょうか?
同様の事例で適法とされています。被害者と被害者の父親は連絡を取り合い、犯人に関する情報を伝え聞いた父親が被害者に協力する形で、被害者に代わって逮捕しているので、実質的な逮捕者は父親と被害者であると認められ、被害者との関係で本件逮捕が現行犯性を満たしているので適法とされました(東京高判平17.11.16)。

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準現行犯逮捕

現行犯そのものでなくても現行犯として扱われる場合がありますか?
準現行犯として扱われると、現行犯そのものでなくても現行犯逮捕と同じ手続きで逮捕されます。準現行犯として扱われるのは、犯罪と犯人の明白性、犯行と逮捕行為との相当程度の時間的場所的接着性、逮捕の必要性に加え、以下の(1)〜(4)のいずれかに該当することが必要です。
(1)犯人として追呼されているとき
ex.「泥棒」と呼ばれて追いかけられているとき
(2)盗品や犯罪に使ったことが明らかな凶器などを持っているとき
ex.手に血が付いた刃物を持っているとき
(3)身体または衣服に犯罪の明らかな痕跡があるとき
ex.顔に傷跡があったり、血痕が付着した洋服を着ていたりしたとき
(4)誰何されて逃げようとしているとき
ex.職務質問で名前を聞かれて逃げだそうとしたとき
準現行犯として扱われるのは具体的にどのような場合ですか?
【準現行犯事案】
■ 犯行現場の飲食店の主人の届出により、現場に急行した巡査が、被害者たる従業婦から暴行犯人が同店より約20m隔てた別の店にいると告げられて直ちにそこに赴き、手を怪我して大声で叫びながら洗足している犯人を逮捕したもので、右犯行から逮捕までは3〜40分経過したに過ぎない場合(最判昭31.10.25)
■ いわゆる内ゲバ事件が発生したとの無線情報を受けて逃走犯人を警戒、捜査中の警察官らが、犯行終了の約1時間ないし1時間40分後に、犯行現場からいずれも約4キロメートル離れた各地点で、それぞれ被疑者らを発見し、その挙動や着衣の汚れ等を見て職務質問のため停止するよう求めたところ、いずれも逃げ出した上、腕に籠手をはめていたり、顔面に新しい傷あとが認められる事案(最決平8.1.29)
■ 贓品らしいモーターを携えているので追跡し、これを売却後職務質問した結果窃盗犯人たることを自白した場合(最判昭30.12.16)
■ 犯行後4〜50分経過した頃、現場から約1100メートルの場所で逮捕を開始したときは、「罪を行い終わってから間がないとき」にあたり、また、警察官が犯人と思われる者を懐中電灯で照らし、警笛を鳴らしたのに対し、相手方が逃走しようとしたときは、「誰何されて逃走しようとするとき」にあたる(最決昭42.9.13)

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